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劇場法をめぐるラウンドテーブルを開催



6月14日、超党派の国会議員で構成される音楽議員連盟の検討に基づき、参議院に提出された「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」(案)は、6月15日に参議院本会議を通過。6月20日に衆議院・文部科学委員会で質疑が行われた後、可決され、本会議において全会一致で成立しました。(6月27日公布・施行)
これは、2010年に展開した「もっと文化を!キャンペーン」の国会請願項目にあった「人々が、みて、きいて、体験できる実演芸術拠点を充実させるための法整備をしてください」という要望に応えるもので、2001年の文化芸術振興基本法の制定以来、芸団協が法整備の必要性について研究を重ねてきた土台の上に成立した法律といえます。

同法の成立を受けて、芸団協では、7月9日(月)、芸能花伝舎において「劇場法をめぐるラウンドテーブル~劇場法制定、これまでとこれから」を緊急開催しました。
今回のラウンドテーブルでは、芸団協が劇場等の法整備が必要と考えた背景と目指した理念について改めて整理するとともに、今後、この法律をどのように活用していけばいいのか、意見交換を行うことを趣旨としていました。

芸団協の実演芸術振興委員会・政策部会長である福島明夫氏(日本劇団協議会専務理事)の進行のもと、最初に大和滋・芸団協参与より法整備に向けた芸団協のこれまでの実演芸術推進の活動について説明。そして、ゲストスピーカーの東京交響楽団の大野順二専務理事から、オーケストラがホールとフランチャイズ関係を持つことで、演奏会の質向上はもちろん、アウトリーチ活動を展開するなどして市民との関係構築がしやすくなるという具体例について報告がありました。
次いで、松木哲志・日本舞台音響家協会常任理事より劇場の舞台技術スタッフの人材育成の課題について提示され、熟練スタッフ育成への契機となるよう期待が述べられました。また、小山久美・東京バレエ協議会常務理事、中島一子・日本三曲協会理事、家城比呂志・日本ジャズダンス芸術協会副会長から、それぞれのジャンルの立場から同法への期待や懸念に関する意見が述べられました。

会場からは、同法制定のメリット、デメリットや、当初芸団協が期待していた法律内容との違いについての質問がありました。劇場の法的位置づけが初めて明確にされた点と、単なる施設ではなく専門家のいる機関であると定義された点は評価でき、また、国の支援との関係は法律では明示されませんでしたが、同法第16条では、文部科学大臣は、劇場、音楽堂等の事業の活性化に必要な事項に関する指針を定めることができる旨定められており、今後その指針によって劇場、音楽堂等の目指すべき方向性が示されると期待しているという応答がなされました。

最後に福島部会長から、「法律という骨格はできたが、劇場法を活用するかどうかの肉付けは、これから。年度内にまとめられるという指針づくりに向けて、今後も意見交換の機会は提供していきたい」という発言があり、閉会しました。当日は、非常に短い周知期間であったにも関わらず、会場をほぼ埋め尽くす100名を超える参加者がつめかけ、同法に対する関心と期待の高さを伺わせました。芸団協では、今後も、会員団体をはじめ、多くの実演芸術関係者の意見が指針作りに反映されるよう積極的に働きかけていきます。

※松木氏が言及されていた「劇場等演出空間の運用および安全に関するガイドライン」2012年版は、サイトより閲覧できます。http://www.geidankyo.or.jp/kijunkyo

<当日資料>
劇場法制定への歩みとこれから
劇場、音楽堂等の活性化に関する法律(概要)
劇場、音楽堂等の活性化に関する法律の施行について(通知)
劇場、音楽堂等の活性化に関する法律


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