令和6年度「開講式」を行いました
9月22日(日)秋分の日、国立能楽堂にて開講式を開催しました。
参加者、講師、関係者が一堂に会する、特別な「お稽古はじめ」の一日です。
この日は、昼と夜の長さが同じになるといわれる秋の始まりの日。
あいにくの雨模様でしたが、開式の時刻が近づくとちょうど雨が止みました。
おごそかな空気の能楽堂で、不安と期待が入り交じった初々しい表情を見せる子供たち。
”これから始まる学びと経験を通じて、日本の伝統文化を知り、未来へつなげてほしい” という主催者からのあいさつに耳を傾けました。
続いて、能楽師であり、企画制作・運営を担う(公社)芸団協 の野村萬会長が、見所(けんしょ:客席)のうしろから入場してごあいさつ。
狂言の人間国宝である立場も踏まえて、子供たちに次のようなエールを送りました。
「日本の将来を担う大事な宝物である皆さんが、日本に古くから伝わる大事な宝である伝統芸能を勉強してくださる。このように素晴らしい、素敵なことはありません。(舞台に立ったら)観客には見えないところ、足の裏や背中。そういう部分にこそ、とても大事な ”心” というものがあります。たとえば、食事のときも目の前のごちそうにだけ神経を傾けるのではなく、見えていない背中や姿勢も大切です。そういうことを心に留めていただきたいと思います」
そして、「先生方が一生懸命に教えてくださいますから、発表の日まで元気で楽しくお稽古に励んでください」と3月の発表会での再会を約束しました。
講師による実演が始まると、目の前で繰り広げられる迫力のパフォーマンスにびっくりする子も。
見入るうちに、自然と背筋が伸びていくのがわかります。
閉式後は、コースごとに講師と子供たちの顔合わせの時間です。
先生方からお稽古に対する心得と簡単なごあいさつがありました。
篠笛コースや尺八コースでは、手渡しで自分の楽器をもらう場面も。
舞台上とは異なる先生方の笑顔に子供たちの緊張もとけ、なごやかな雰囲気に包まれました。
9月の終わりから、コースごとに順次お稽古が始まっています。
参加者の皆さん、発表会の日まで、健康に気をつけながらお稽古を存分に楽しんでくださいね。
開講式の講師によるプロ実演は次の5曲でした。
長唄「越後獅子(えちごじし)」
唄:東音 野呂美貴 吉住小十秀 東音 守屋沙弥香
三味線:今藤政音 芳村伊十冶郎 杵屋栄日陽
小鼓:望月庸子
大鼓:藤舎千穂
太鼓:望月太津之
笛:鳳聲千晴
箏曲「千鳥の曲」(三曲)
箏替手:平野裕子
箏本手:青野雅楽浪 平野雅寿草
尺八 本曲「鶴の巣籠(つるのすごもり)」(三曲)
尺八:舛田路山
日本舞踊「花に舞ひ 風に踊る」
振付:花柳秀衛 坂東映司 藤間聖衣曄
出演:西川扇重郎 花柳吉史加 花柳九州光 花柳智寿彦
坂東映司 藤蔭慧 藤間聖衣曄 藤間鶴熹
舞囃子「羽衣」(能楽)
シテ:辻井八郎
地謡:村岡聖美 柏崎真由子 林美佐
笛:熊本俊太郎
小鼓:鳥山直也
大鼓:柿原孝則
太鼓:姥浦理紗
(先生方、素晴らしいデモンストレーションをありがとうございました。)
この機会にぜひ、公式 Instagram のフォローもお願いします。
お稽古場の写真もたくさん紹介する予定です!