令和4年度 開講式を行いました
9月18日(日)、国立能楽堂にて開講式を開催。感染症予防対策の一環として、二部制で行いました。午前の部は三曲と長唄、午後の部は能楽と日本舞踊で、参加者、講師、関係者が一堂に会し、特別な「お稽古はじめ」の日をともに迎えました。あいにく、台風接近による大雨の悪天候ではありましたが、無事に式を終えることができました。
(撮影:菅原康太)
主催者のごあいさつの後は、これからお稽古する伝統芸能の実演がありました。子供たちは目の前で繰り広げられるプロのパフォーマンスに釘づけの様子で、「いつか自分もあんなふうにできるかな!?」と体も前のめりに。
(撮影:武藤奈緒美)
そして、企画制作・運営を担う(公社)芸団協 から会長の野村萬がごあいさつ。
この事業の総責任者というべき存在で、狂言の人間国宝でもある立場を踏まえて、子供たち一人ひとりにお稽古の心得を伝えました。
「舞台では、自分の目では見えない背中、足の裏、あるいは心、そういうところにしっかりと神経を行き届かせること。前ばかりではなく、後ろにも心を働かせてくださるとうれしく思います。日常で言えば、昼間は一生懸命勉強し、一生懸命遊ぶ。夜はちゃんと大事な睡眠をとらないと健康な日常にはなりませんね。そういう “昼と夜”、あるいは “前と後ろ”というようなバランスが、とても大切です」
午後の部では能舞台の小道具 “葛桶(かずらおけ)” を使って、「これに腰かけるときには、背もたれがありません。そうすると、背筋をしっかり伸ばして後ろに寄りかからずに腰かけることが大切です」。
そして、「はい。みんな、一度立ってごらん」と子供たちに呼びかけ、「きちんと腰をおろすことができるかな。厳しく言えば、この腰かけるものが外れても、後ろにひっくり返ったりしない体でないと、舞台の姿勢にはなりません。そういうことを少しでも稽古しながら発見してくださると、とても素敵だなと思います」と語りかけました。
9月の終わりから、順次お稽古が始まりました。
発表会までのあいだ、健康に注意しながらお稽古を楽しんでくださいね。
(撮影:武藤奈緒美)
■令和4年度の講師による実演は、次の通りでした。
<午前の部>
・長唄「越後獅子」
・箏曲「嵯峨の秋」(三曲)
・尺八「岩清水」(三曲)
<午後の部>
・日本舞踊「長唄 連獅子」
・舞囃子「八島」(能楽)
(撮影:菅原康太[三曲・長唄]、武藤奈緒美[能楽・日本舞踊])
開講式アルバム
台風の影響などで参加できなかった方も、アルバムでたっぷりとご覧ください(クリックすると写真全体が見られます)。
午前の部 三曲・長唄(撮影:菅原康太)
午後の部 能楽・日本舞踊(撮影:武藤奈緒美)