高校生受講者に聞きました!「キッズはミカタになりましたか?」
日本舞踊コース
芦沢 怜(あしざわ・りょう)さん (受講時高校2年生)
2014年度の日本舞踊コースを受講した怜さんは、現在高校3年生。受験勉強があるうえ、茶道部と文芸部にも所属していて忙しい。“参加の感想を聞かせてほしい”とお願いすると、「もう部活はほぼ引退しているし、学校の近くでなら」と放課後、制服姿で来てくれました。
――どうして「キッズ伝統芸能体験」に参加しようと思ったのですか?
中学生の時から学校の部活で茶道をやっているのですが、続けていくうちに、四季を積極的に取り入れて楽しむとか、そういう日本ならではの感性が面白いと感じるようになりました。それで、“ほかにはどういうものがあるかなぁ、日本舞踊とかかな”と漠然と興味を持っていた時に「伝統芸能☆ミカタ計画」を知って、やってみたいとすぐに思いました。だけど、ひとりで始めるのがちょっと怖くて、一緒に申し込んでくれる友達を探しました(笑)。
――日本舞踊ははじめてだったわけですね。お稽古はどうでしたか?
元々ダンスとか得意じゃないので、動きの速い振り付けのところが苦手でした。でもゆっくりのところも、じっと動かない姿勢も、日本舞踊って中腰をキープするんですよね。それがものすごく足を使うんです。次の日筋肉痛になったりもしました。 正座から立ち上がるときの足の使い方も茶道とは違っていて、時々混乱しちゃったり。
――大変なことが多かった?
でも楽しかったです。先生たちがすごくわかりやすく教えてくれるし、学年の下の子たちが和ませてくれたりして。 大変だったと言えば、踊りの中に、美しさと色気を両立させつつ役を演じなければならないことです。日本舞踊の動きには一つ一つに意味があり、踊りは物語を表していることも知りました。無駄のない振りと構成でできていて“なんだか日本らしいなぁ、お茶と同じなのだなぁ”と、とてもおもしろく思いました。
――学校や部活、塾もあって、忙しかったのではないですか?
だからお稽古に行けなかった日もあります。特に、どうしても受けなければならない模試で休んだのが1月で、その日に発表会用の振り付けが進んでしまい大変でした。それでもそこのところを細かく繰り返しやってくださったりして、なんとか追いつけた感じです。
――ところで、中学生・高校生限定のユース特別コースはご存じの通り「伝統芸能☆ミカタ計画」という名前なのですけれど、今回の体験は怜さんのミカタになりそうですか?
はい! 私の場合はもともと日本文化に興味があったところに、実際の体験ができて、やってみてはじめてわかることがたくさんありました。 それに、今、進路を決めなければいけない時期なのですが、将来日本の伝統文化を伝える仕事ができたらと思っているんです。人に伝えるには自分がそれについて知らないとなりませんから、「キッズ」はもう直接的にミカタになりました。 去年「ミカタ計画」のチラシをもらって、“参加するなら今年しかない”って思いきれてよかったです。
大学に入ったら日本舞踊のお稽古を再開したいという怜さん。「でも個人のお稽古につくのか、サークルとかに入るのか、でも、お茶も続けるつもりだしでもでもほかの伝統文化のことも…」史学も文芸も勉強したいし日本の文化を広く海外にも広めたいから英語も課題だし…、とやりたいこと満載。 大丈夫、ぜんぶやりきれなくても、やったことぜんぶが血となり肉となって、あなたのミカタになりますとも。