お稽古場で見つけた楽器たち~箏 2020.06.05 コラム 「キッズ伝統芸能体験」のお稽古は、身体で演じる日本舞踊、能楽だけでなく楽器を学ぶコースもとても人気があります。 子供たちを撮った記録写真のかたわらに見つけた楽器たち。 今回は箏をご紹介します。 楽器解説:G 撮影:武藤奈緒美(4枚目) 1.龍の姿になぞらえられる箏奈良時代に中国から日本にやって来た箏。 その姿は伝説上の動物である龍になぞらえられます。 手前に見えるのは龍の口(龍口・りゅうこう)。 唇(龍唇・りゅうしん)が縁取ります。 中央の白っぽいところ、舌(龍舌・りゅうぜつ)には美しい装飾が。 緩やかにカーブを描く二本の手(龍手・りゅうしゅ)。 いたるところに龍を冠した名前がついています。2.龍頭、龍角、龍尾、龍趾、龍甲。写真 左のほうを龍頭(りゅうとう)といい、細長い龍角(りゅうかく)が弦を支えます。 奥のほうは龍尾(りゅうび)といい、短い龍趾(りゅうし)が胴を、 雲角(うんかく)が弦を支えます。 なだらかな背中は龍甲(りゅうこう)。 雲の合間に現れた龍の姿をイメージさせます。3.帰雁に例えられる箏柱13本の弦を1本ずつ支える「柱(じ)」。龍甲の上に整然と並ぶ柱は、 春になると北国へ帰って行く渡り鳥「雁(かり)」が 独特な形で群れを成して空を飛ぶ姿を、 イメージさせる存在でした。4.出番を待つ箏たち大勢の子供たちが一緒に演奏する発表会では、 たくさんの箏を調弦しなければなりません。 楽屋で一面ずつ柱を立てて調弦した後、 舞台袖に立てかけて出番を待ちます。