インタビュー「あの先生の “たからもの”」福田栄香先生(生田流箏曲)
先生たちの”キッズ時代”や”たからもの”にまつわるエピソードを紹介する新企画。
お稽古場ではなかなか見えない先生方の「素顔」を、少しだけお伝えしていきます。
今回は、三曲/箏曲(生田流)コースの福田 栄香(ふくだ・えいか)先生です。
いつも凛としている栄香先生に、ご自身の”たからもの”について文章をお寄せいただきました。
おサボりしたくて隠れてしまうことも?! でも、舞台が大好き
— お稽古を始めた時期ときっかけを教えてください。
私の初舞台は3歳でした。着物に簪(かんざし)、お洒落をして大きな声で「さくら」を歌いました。皆から褒められてメチャクチャ嬉しそうだったらしい……のですが、お稽古初めは幼すぎて記憶にありません。
この一年に一度の発表会を目標に、長年、毎日父にお稽古をつけてもらいました。実は、おサボりしたくて隠れたりする時もあったのですが、そこは両親が厳しく徹底していましたし、私はやっぱり舞台が好きでした。今となっては、本当に感謝しています。
父の箏に憧れて。木材との出会いに期待がふくらむ
— 先生の“たからもの”と大切にしている理由を教えてください。
師である父の箏は本当に魅力的で私の憧れでした。ですので、自分の生涯の楽器を持つこととなった時には、同じ職人さんに依頼して作ってもらおうと心に決めていました。
20年程前、とうとうその日が訪れ、生涯使用する自分の楽器「箏」を材料となる桐の木材から選びに行きました。箏は色々な部分で成り立っていて、1面作るのに幾つもの材料と、何人もの職人さんの手が必要なのですが、先ずは土台となる木材が本当に大事です。まだ形の整わないその木材に出会った時に、完成した美しい楽器を想像して本当にワクワクしました。
写真は舌(龍舌・りゅうぜつ)という部分で、秋草の蒔絵(まきえ)を描いてもらいました。美しい楽器として手元に届けられた後は、使い込んで音を開かせ、更に深みのある音色が奏でられるよう大切に大切に育てている思いです。
箏を演奏する喜びを知ってほしい
— お稽古を始める子供たちへメッセージをお願いします。
お稽古は続けることが一番大事です。楽しいときも、思うように出来なくて悔しいときも、何度も繰り返すのがちょっとつまらないときも……。練習をすれば必ず上手になって行きます。
素敵に演奏できると、とても嬉しくて幸せな気持ちにもなります。
キッズ伝統芸能体験のお教室で一生懸命に学んで、その喜びをたくさん味わってくださいね!! [寄稿]
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