お稽古場で見つけた楽器たち~長唄三味線・囃子 2020.06.18 コラム 長唄は、三味線音楽のなかでも人気の高いジャンルの一つです。 今回は長唄三味線と囃子の小鼓、篠笛をご紹介します。 楽器解説:G 撮影: 武藤奈緒美(1,2,4枚目) 1.ルーツは中国大陸今から450~60年前に日本にやって来た三味線。 持ち運びやすく、歌の伴奏に最適だったため、 またたく間に大人気となり、多彩な芸能を生みました。今のギターに似ています。 なかでも 歌舞伎とともに発達した長唄では、複数の唄と三味線、囃子が一体となって、 華やかな世界を彩ってきました。2.つかの間の静寂今でも弦は絹糸。 自然素材なので、伸びたり、縮んだり。 たくさんの三味線を一定の状態に保つのは至難の業。 調弦を済ませた三味線を舞台袖に並べ、出番を待つ間、 つかの間の静寂が訪れます。3.風土が生んだ響きの秘密砂時計型の胴の両側に革を当て、 調べ緒(しらべお)で締め合わせた小鼓(こつづみ)。左手で調べ緒を握り、右肩にかつぐように構えて、右手で打って音を出します。 左手の締め具合に強弱をつけると、 硬めの音になったり、柔らかな音になったり。 余韻の変化が魅力的です。 白い花びらのように見えるのは調子紙。 丈夫な和紙を唾液で湿らせて裏革に張り、 音色を調整します。湿度の高い日本の風土に適した楽器です。4.繊細で優美な篠笛篠笛は細い篠竹(女竹・めだけ)の一節を切り取り、 内側に漆を塗っただけの簡素なつくり。 指孔は7つが標準で、尺八ほどは大きくありません。 長短さまざまな長さのものがあり、 演奏シーンに応じて使い分けます。 やわらかい音色は日本の竹笛を代表する存在。 地域の民俗芸能から歌舞伎の世界に至るまで、 その活躍領域は広範にわたります。