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謡・仕舞のお稽古はじめ(梅若能楽学院会館)

2024.10.24 レポート

9月30日、謡・仕舞コースのお稽古が梅若能楽学院会館で始まりました。
大通りから一本奥に入った閑静な住宅街に、立派な能舞台があります。
コンクリートの壁からは想像しづらいかもしれませんが、能楽堂としてはめずらしく自然採光のための天窓があり、時間や季節の移ろいとともに印象が変わる趣のある舞台として知られています。

 

 

謡・仕舞コースでは、能の ”歌唱と舞” を学びます。
はじめに、足袋の履き方を教わりました。
新しい足袋はかたいので、簡単には履けません。
「半分折り返して、親指から順に入れましょう。ひっかける部分は “こはぜ” と言います。かかとに近い下から順に糸にかけてみてください」と先生がポイントを伝授。

続いて、扇(おうぎ)が手渡され、大切なものであることを教わりました。
扇もはじめはかたいので、ゆっくりと開いてみます。
開いて、閉じてを繰り返すうちに、スムーズに開けるようになりました。

 

 

 

先生からお話がありました。
「能楽には、およそ700年の歴史があります。700年前となると8代から9代前。皆さんのおじいさんとおばあさん、そのうえのおじいさんとおばあさん、そのまたうえの……といったことを8から9回重ねたくらいでしょうか」
「長い!」
「先生から生徒へ、伝えていくべきものをきちんと伝える。私たちは、このことを700年のあいだ続けてきました。あなたたちの一回のお稽古は、日本人が長い時間をかけて重ねてきたものの上にあります。あなたたちが演じることが、また次の人たちに伝わっていきます。そのことを思って、毎回のお稽古に臨んでください」
子供たちの表情が引き締まりました。

 

 


 

3回目のお稽古日は、ご家族の方もお稽古に挑戦できる「体験日」。
子供たちと同様に白足袋を履いて、まずは謡のお稽古。
先生からは「お子様方に負けないよう、大きな声でお願いします!」
舞台のうえでは、構えとすり足を習いました。

 

 

体験を終えたご家族からは
「難しかったです。子供には ”もっとこうしてみたら?” と簡単に言っていましたが、実際にやってみると右手と右足が同時に動いたりして大変でした(笑)」
そこへ「お母さん、声が小さかったよ! でも、がんばってたね!」と激励の言葉。
おうちで一緒に練習しようね、と笑顔でお稽古場をあとにする姿が印象的でした。


*お稽古の様子は、公式インスタグラムでも公開しています。
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