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晴れの舞台を支えるプロの仕事

2019.03.14 コラム

何もないがらんとしたステージに、緋毛氈と金屏風が置かれ
明かりが入るだけで、舞台の空気が一変します。



木の脚立に平らな台を乗せて毛氈をかけると、
あっという間にひな壇の出来上がり。



大勢の舞台スタッフのチームワークが際立つ一コマです。
目立たないように、全身黒づくめ。
“黒衣(くろこ)”と呼ばれる理由です



袖では、整然と並んだ箏や三味線が出番を待っています。
手際よく箏を並べる楽器屋さんは、ネクタイ姿。
正装した先生方が調弦を整え、子供たちが席に着いても、気は抜けません。
わずかな異変も見逃さないよう目を凝らし続けます。



緞帳の裏側には「火の用心」の大きな文字が。
木、布、紙・・・。
舞台は燃えやすいものでイッパイ。
発表会を経験した子供たちにしか見えない光景です。

 

長唄では、ひな壇の後ろに何人もの黒紋付姿の先生方が、
イザ!というときのために備えます。
キッズの発表会ならではの”秘密”の一つです。



ナレーションは、舞台監督さんの隣が定位置。
目の前には、いくつものモニターが並び、
劇場のなかをチェックできるようになっています。

 

傍らには、渦巻き状になった長い緋座布団がぎっしり。
発表の舞台を整え、片付けるプロの技。
スペシャリストたちの技とチームワークが、
たった一回限りの子供たちの発表会を全力で支えてくれました。(G)
(※の写真=撮影:武藤奈緒美)