梅若能楽学院会館でのお稽古はじめ <謡・仕舞/狂言>
2023.10.20
レポート
暑さの残る9月25日。
本年度最初のお稽古となる、能楽の謡・仕舞と狂言の2コースが中野区の梅若能楽学院会館で始まりました。
ランドセル姿で学校からそのままやってくる子も。
謡・仕舞のお稽古では、能のなかの謡(歌唱)と舞を学んでいきます。
足袋の履き方を教わり、一人ひとりに扇が配られました。
扇を床に置いた状態から、取り上げて開く、そして閉じて戻す所作を丁寧に繰り返しました。
「扇を使うのはお稽古のときだけ。ふざけたり、けんかしたり、暑いからとあおいだりしないように。
大切に扱ってくださいね。」
後半は能舞台へ移動です。
「すり足」は足の裏を床につけ、かかとを上げずに歩く能の基本的な歩き方です。
能舞台の上で、慎重に足を滑らせる子供たち。これがなかなか難しい!
「立膝」の姿勢もお稽古しました。
狂言のお稽古では、2~3名で組になり、ひとつのセリフ劇を学びます。
「狂言はいつ頃からあると思う?」
「江戸時代!?」
実は、室町時代にはすでに存在していたと言われています。
そして、先生がたが「柿山伏」を演じてくださいました。
ふたり同時にせりふを言う場面では、注意深く聞き分ける子供たち。
山伏と柿の木の持ち主との妙なやりとり、先生のおかしみ溢れる表情に大笑い!
目の前で演じられる「生の狂言」に大興奮しました。
いよいよ子供たちも舞台に上がって、「大笑い」のお稽古です。
「顔を崩さないようにやってる子もいますが、ヘン顔を恐れずに思い切って!」
お稽古場に響く、わーっはっはっは!の大きな声。
約700年にわたり伝えられてきた能楽。
あいさつや基本の構えをしっかりと学んだうえで、型に沿った動きや独特な言葉づかいを覚えていく和のお稽古です。