2014.09.25
アーツマネジメント連続講座 講座⑨『芸術活動と法務―契約と著作権、公演をめぐる法律』9月22日レポート
講座⑨1日目は、舞台芸術に係る法律問題の専門家集団として名高い骨董通り法律事務所より桑野雄一郎弁護士を講師に迎え、契約や著作権に関する講義を行って頂きました。
講座前半は、舞台芸術をめぐる契約関係や、舞台公演に伴って発生する法律問題などを整理・概観しました。
講座冒頭、「舞台芸術の世界は、あまりにも口約束が多い」と契約関係の甘さに警鐘を鳴らす桑野先生。
アンケートにも「ちゃんとしなきゃいけないのは分かっていたんだけど…」という回答が多かった通り、「契約」は舞台芸術に携わる人々にとって非常に身近な存在でありながら、なかなかきちんと対策が立てられない問題の一つです。
「契約書の締結」と「契約の成立」の違い、書面上に「及び/並びに」や「又は/若しくは」が登場したときの注意点、公演が中止になった際の責任問題など、知っていると知らないでは大違いな法律知識のお話に、受講者の皆さんも熱心に聞き入っていました。
続く後半は、舞台芸術に関係する著作権について。
著作権とは何か、具体的にはどんなものがあるかについて一通り確認したあと、桑野先生が実際に対応された案件などの事例を参照しながら、著作権問題に関する対策や対処についてお話しいただきました。
質疑応答のコーナーでは、参加者が実際に抱えている問題について桑野先生が親身にお答え下さり、さながら法律相談所のようでした。
今回は契約の考え方や著作権の基本などの入門的内容にとどまりましたが、講座⑧の会計入門から講座⑨2日目の著作隣接権へとつながる、『アーツマネジメント連続講座』の意義が一層強く感じられた回となりました。