2014.07.11
アーツマネジメント連続講座 講座③『観客をつくり出す ―広報・宣伝など関係の構築』6月24日レポート
講座③『観客をつくり出す ―広報・宣伝など関係の構築』の2日目は、可児市文化創造センターの衛紀生館長にお話しいただきました。
岐阜県可児市という小さい街に位置する館でありながら、独自の試みが高い成果を上げ続けている「文化施設の雄」の館長のお話とあって、この日も45名を超える聴講生が来場しました。
冒頭からいくつもの強烈なメッセージが発せられ、静まり返る会場。
劇場・ホールとは何なのか、なんのためにそれらを建てるのか、衛館長の問いが続きます。
つづいて、衛館長は「文化行政とは積極的な福祉政策である」と定義づけたうえで、文化芸術が持つ社会包摂としての機能について、ご自身の考えをお話しくださいました。
「マーケティングとは、売ることではなく売れる環境を作ること」「鑑賞目的だけではなく、地域の課題解決のために文化芸術を活用する」「ブランドとは社会的な信用と信頼」「いいものをやり続けたからといって、自ずと客が生まれるわけではない」
ご自身の多彩なご経験、そして経営学や行動経済学など幅広い知識に裏付けされた説得力あるお話に、受講者一同、深くうなずきながら聞き入ります。
後半は、可児市文化創造センターが取り組んでいる「ala まち元気プロジェクト」のお話を中心に、文化施設が地域に対して出来ることとは何か、またそれを広めていくにはどうしたらよいのかという、今回の講義のメインテーマとなる内容について。
質疑応答コーナーはもちろん、講座終了後も質問者が列をなし、今回も大盛況の講座となりました。